デュピクセント
デュピクセント
🌟新しく適応が小児生後6ヶ月〜に拡大されました!(2023,9,25~)
デュピクセント®は、「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン※)の働きを直接抑えることで、皮膚の2型炎症反応(Th2細胞による炎症)を抑制する新しいタイプのお薬です。
アトピー性皮膚炎の皮膚の内部に起きている炎症反応を抑えることによって、かゆみなどの症状や、皮疹などの皮膚症状を改善します。これは生物学的製剤でアトピー性皮膚炎の患者様には新たな一手の治療法となります。
デュピクセント®の働き、期待される効果
(SANOFIホームページより転載)
治療の対象となるかた
1、アトピー性皮膚炎の程度が中等度以上の方。
2、通常の外用治療(ストロングクラス以上のステロイドやタクロリムス外用剤など)を6ヶ月以上行っても効果が期待できない方。
3、本剤投与時にアトピー性皮膚炎の病変部の状態に応じた抗炎症外用薬や保湿外用薬の外用剤を継続しようできる方。(本剤使用中は外用剤の併用が原則となります。)
4、生後6ヶ月から適応追加(2023・9・25〜)
投与にあたり注意が必要な方
1、寄生虫感染のある方
2、生ワクチンを接種する可能性がある方
3、妊婦・妊娠する可能性がある方、授乳中の方
4、高齢の方
❇︎デュピクセント投与中にアトピー性皮膚炎以外のアレルギー疾患の症状が変化することがあります。また、アレルギー疾患を治療中の方はデュピクセントを使用していることを必ず主治医に伝えて自己判断で治療薬を減量したり中止したりしないようにしてください。
デュピクセント®の働き、期待される効果
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の病態形成に深く関係するType 2炎症を抑制するヒト型抗ヒトIL-4/13受容体抗体製剤です。
今までの治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、高い改善効果と安全性を示しており、これまでにない優れたアトピー性皮膚炎治療薬であると考えられます。生物学的製剤の特徴として、薬剤費が高く高額な患者負担となりますが、様々な助成制度が用意されています。自己注射をしていくことで皮膚症状、かゆみが軽減されに日常生活がかなり改善されます。詳しいことは診察時お尋ねください。
◆デュピクセントによる治療が受けられる人
◆費用負担ができる人
デュピクセントの治療費用は保険適応になりますが高額になります。治療を続けていく上で、費用負担が厳しくなってしまうことが想像される場合には治療を受けられません。入られている保険、勤務している会社によっては補助が出る場合があるので、事前に確認いただくのがおすすめです。
◆2週間に1度、4週間に1度程度の通院が可能な人
デュピクセントの注射(自己注射の場合)は、最初2週間に1度は当院で自己注射指導が必要です。また自己注射が自宅で始まっても外用は併用する必要があるため、最低4週間に1度は通院していただき状態を確認する必要があります。
◆外用療法が継続できるかた
デュピクセントの自己注射が始まりほとんどの方がアトピー性皮膚炎の皮疹の状態が今までにないくらい改善する方が多いです。ただ、改善して、外用を自己判断で中止してしまったり、他の疾患喘息などの症状も同時に改善したとしても、自己判断で治療を中断してしまったりすることがないよう、主治医の指示に従い取り扱い方、注意点、保管の方法などをよく理解できることが重要な条件となります。
◆治療が受けられない人
□15歳未満の人⇨生後6ヶ月未満の方(2023・9.25〜)
□高齢の人
□近いうちに生ワクチンを接種する予定のある人
□妊婦または妊娠の可能性がある人
□授乳中の人
□薬の使用によってアレルギー性疾患が出たことがある人
また、ほかに常用している薬がある場合、相性によっては作用に影響を与える可能性があることから、よく相談した上で利用することをおすすめします。
デュピクセントの実際の投与について(成人)
デュピクセントは注射薬です。
1本の注射に300mgが含まれます。
これを月に2回、➡︎2週間に1回注射します。
初回のみ、1回2本600mgを注射します。それ以降は、1回1本300mgの注射をうっていくことになります。下記は投与イメージです。
その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。
スケジュールと投与部位
デュピクセント®は投与開始日のみ、2本を皮下注射します。
その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。
このため、2週間に1度の受診が必要です。しかし、
2019年6月から自己注射が可能になりました。
当面は(自己注射ができるようになるまでは)2週間に1回の注射が必要です。そのため、最低月に2回の通院が可能な方でなければ治療はできません。
→自己注射を選択されれば、3ヶ月に1度の処方で治療が可能です。しかし、最低2回の自己注射の指導を受けて頂く必要があり、当院では外用薬処方、注射の指導、皮疹の状態を把握するため最低1月に1回の受診をしていただきます。
注射部位は、両上腕(二の腕)、腹部、両大腿(ふともも)に注射します。(自己注射の部位は少し異なります。)
注射に適した部位は以下の3ヵ所です。
⭐️なお、デュピクセントに関しては、高額医療制度の適応となる可能性があります。会社で独自の医療費助成を行なっている会社もあり、必要に応じて問い合わせをしていただくことをお勧めします。。
⭐️デュピクセントは初診時に投与は出来ません。
デュピクセントを投与する際には皮疹がどのくらい深刻化しているか、投与前の状態をいくつかの指標においてスコア化する必要があります。そのため、初診の場合にはまず「これまでにどのような治療を行ったか」、「どのくらいの期間治療を続けたか」、「その結果どのような変化が見られたか」という基本情報を整理し、スコア化し記録する必要があります。様々な情報を総合判断した上で、問題ないと判断された場合にはじめて、次の受診時以降の投与が可能となります。当院においては新たにデュピクセントを導入する場合、月初めからの導入が基本になります。また、導入後も1月に1回程度通院し状態の確認、必要に応じて採血検査など行い経過を見させていただきます。
⭐️保険の範囲、年収などにより月々の費用も異なってきます。少しでも痒みから解放されたい、今までの既存の治療でなかなか効果が感じられない、一度試してみたい、など興味がある方はぜひ診察時にご相談ください。
当院でも導入された方がよく眠れるようになった、半袖が着れるようになった、と自覚症状だけでなく皮疹の改善の報告をいただいています。
アトピー性皮膚炎の新たなステージに治療が入ってきましたね。
🌟お知らせ
当院にデュピクセントについてご相談に来られたい方、また導入前のご相談は平日午前にご来院ください。投与に際して、投与前評価・スケジュールを決める必要があります。よろしくお願いいたします。
新しく適応が小児に拡大されました!生後6ヶ月以降のアトピー性皮膚炎のお子様も適応になる可能性があります。ご相談ください。(2023・9・25〜)