子宮頸がんワクチンについて
◆子宮頸がんワクチンとは?
HPVワクチン接種の推奨年齢は、小学6年生から高校1年生の女子とされています。そのため、国が定める子宮頸がんワクチンの定期接種の対象者は、小学6年生~高校1年生の女子です。では、この推奨年齢以外の女性のワクチン接種はどうなのかというと、15~45歳くらいの女性全てにおいて、接種意義があるとされています。
この公費助成の時期が過ぎた場合はどうでしょう?公費助成の時期が過ぎてもまだHPVには感染していなければ、ワクチンの効果が期待できます。また既に性交渉を迎えている場合でも、今までワクチンで防げるHPVに感染したことがない場合、今後の感染を予防することができます。婦人科のガイドライン上でも性交渉の有無を問わず、26歳までの女性には強く接種が進められています。そして26歳を過ぎてしまっても45歳までの年齢層では子宮頚癌ワクチンの有効性が証明されています。また初交後にワクチンを打つ場合でも、接種前にすでにウィルスに感染しているかいないかの検査は不要です。
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐHPVワクチンの1つである「ガーダシル®」が男性接種の適応を取得しました。
HPVは子宮頸がんの原因となるだけでなく、男性もかかる中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因にもなります。
そのため、世界では男性にも公費接種が行われています。
今まで日本では、子宮頸がんへの感染を防ぐ目的で女性(年齢も限定された女性のみ)が接種対象となっていましたが、男性へ接種対象が拡大されました。
性的な行為で感染するウイルスであるため、9歳以上で、性行為をする年齢になる前に接種することが効果的です。
現時点では、公費の補助適応がないため、男性の接種に関しては、ガーダシル®の男性接種は任意となり全額自費負担となります。(女性の公費負担以外の接種に関しても自費になります。
ワクチン | サーバリックス(2価) | ガーダシル(4価) | シルガード9(9価) |
予防可能なHPVの型 |
(高リスク型HPV) 予防:70%の子宮頸がん(16、18型)など |
高リスク型HPV)
HPV16型 HPV18型 (低リスク型HPV) HPV6型 HPV11型 予防:70%の子宮頸がん(16、18型)
尖圭コンジローマ(6、11型) など
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(高リスク型HPV)
HPV16型 HPV45型 HPV18型 HPV52型 HPV31型 HPV58型 HPV33型 (低リスク型HPV)
HPV6型 HPV11型 90%の子宮頸がん(16、18、31、33、45、52、58型)、尖圭コンジローマ(6型、11型) など
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適応 |
9歳以上女性(小学6年〜高校1年公費負担あり)
男性なし
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9歳以上女性(小学6年〜高校1年
公費負担あり)
男性あり(9歳以上)
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9歳以上の女性のみ
男性なし
(自費のみ)
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接種回数 | 3回 | 3回 | 3回 |
接種場所 | 筋肉内注射 | 筋肉内注射 | 筋肉内注射 |
接種間隔 | 0・1・6ヶ月 | 0・2・6ヶ月 | 0・1・6ヶ月 |
接種費用 ※1、接種前に医師に相談既往の場合別途診察代がかかります ※2、接種前に別途診察代がかかります |
18700円/回(税込) ※1 |
18700円/回(税込) ※1 |
※2 |
※高リスク型HPV:子宮頸がんの発生原因となる型のウイルス
※低リスク型HPV:性感染症である尖圭コンジローマの発生原因となる型のウイルス
<HPVワクチンまとめ>
子宮頚癌の予防率はガーダシル・サーバリックスの場合は70%、シルガードの場合は90%の予防効果であり、100%ではありません。接種に関して本人・ご家族でよく検討し、接種をおこなってください。
⭐️接種に関してご相談がある場合、お申し出ください。