NMN再び
再びNMN
ゴン太です。
不老長寿の夢をいだき水銀摂取でなくなったと言われる秦の始皇帝
私は読んでおりませんが、漫画のキングダムの時代のお話です。その不老長寿の薬を探してきますと言ってたくさんの金品を持って旅に出た徐福なる人のお墓が三重県熊野にはあるそうですが、真相はわかりません。エベンバイヤーズという方をご存知でしょうか。1900年初頭にラディトールという放射線性物質を含んだ危険な医薬品の犠牲者とされております。彼もまた健康になりたいとの思いからそのような薬に手を出したのでしょう。
上記のように負の面のみが強調されますが、現在ではともに食品とは言えません。
しかしヒ素という物質をご存知でしょうか。これは随分前に事件にもなった毒物ですが一部の白血病(急性前骨髄性白血病の再発)に効果があります。薬にも毒にもなるものがあるということですね。ただしいまも昔も不老長寿には関心があったと言えます。
次のお話をしましょう。脚気という病気をご存知でしょうか。軍医であった森鴎外と高木兼寛がそれぞれ前者は細菌による、そして後者は食べ物による(結果としてはビタミンB1の不足によって)
との見解を示し、後日、後者の方が正しかったことがわかりました。前者が支持されたため日朗戦争では数万人が脚気でなくなったとされております。さてこのビタミンB1の発見者は日本人、鈴木梅太郎先生でしたが、翌年同じものを見つけたポーランドのフンク先生がビタミンなるものを見つけました。脚気の原因がビタミンB1不足なのですが、安定して脚気が日本から消えるのは戦後にになります。では食品に含まれた成分を多量摂取すると良いのかとのことですが、ベーターカロテンの取りすぎは肺癌の罹患率の増加につながる報告がありますので、注意が必要です。
ではNMN(Nicotinamide MoNoncleotide)とは一体なんなのでしょうか。日本での扱いは食品です。NAD +という物質が減少すると老化が進むのではと言われております。NMNもナイアシン(ビタミンB3)もともにNAD +に体内で変化しますが、NMNの方がナイアシンよりも効率的に体内に取り込まれ、NAD +に変化するまでの過程が少なく効率よくNAD +に変換されると言われております。NAD +がSirtという遺伝子を活性化するともしかしたら寿命が伸びるかもしれないとのことです。実際にSirt1の発現を高めたマウスは寿命が伸びると言われております。NMNもsirt1を刺激することはわかっております。ただ、寿命を延ばすほど刺激しているのかは未知です。
NMNのいくつかの報告では65歳以上の高齢男性250mgを摂取すると筋力のパフォーマンスの増加が見られた、あるいはマウスでは糖尿病腎症の抑制、心筋の保護や血管の老化を防ぐと言われております。副作用についてはあまり現在はなさそうです。日本人の平均寿命が男性81歳、女性87.7歳ですが、健康寿命は男性72歳、女性は75歳と死ぬまで10-12年間は何らかの健康に問題を抱えていることになります。一卵性双生児が同じ癌にかかるのが13%程度と報告されており、実は遺伝よりも生活週間の方が癌に関わるとも報告されております。NMNは健康を寿命を伸ばしてあり、あるいは寿命を伸ばすのでしょうか。是非当院でもサプリメント検討したいとは考えておりますが、どうなることでしょう。