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アトピー性皮膚炎の治療について

[2022.07.03]

みなさま こんにちは。Dr。Yです。

ここ最近アトピー性皮膚炎の治療薬が新しく出現してきています。私が研修医になりたての頃は基本的にアトピー性皮膚炎といえば、外用薬・内服薬・保湿剤が基本。よく体を洗って汗をかいたら綿の下着を変えてください。というような指導方法が主であったと思いますが、そこから免疫抑制剤(内服)のアトピー性皮膚炎の保険適応が通り投与できるようになりました。ただ、免疫抑制剤は小児に適応はなく、使用するには投与してから血中濃度を時間を見て測定したり、長期投与で腎臓への負担、がんの発生など使用継続にあたり慎重に投与していく必要がありました。

その後新しく外用剤でコレクチム軟膏®︎、モイゼルト軟膏®︎などの出現と、注射製剤の抗体療法となる製剤(デュピクセントなど®︎)の出現で新たな治療ステージに入ってきました。抗体製剤には投与にあたり感染症の有無や肝炎・肺炎などの事前チェックが必要な内服剤と、注射製剤があります。これらも今後続々と新しい製剤が出現してきています。

製剤を扱うには皮膚科専門医としての経験年数や施設で扱うための施設要件などをクリアした施設でしか扱えません。投与希望される方は皮膚科で取り扱いがあるかを聞く必要があります。

アトピー性皮膚炎は自然経過的にも年齢を重ねるごとに軽快する傾向はありますがそれでも大人になってアトピー性皮膚炎の皮膚症状が残る方は重症の方が多く、見た目の皮膚症状も褐色の色素沈着、皮膚がゴワついて厚くなったりシワができたり、正常な保湿が維持できないことからくる皮膚の滑らかさが欠けてきて、掻破によりかさぶたや傷を繰り返すことで皮膚に傷跡や瘢痕ができて、皮膚の色が浅黒い状態になっていることがあります。みなさん大抵夜はぐっすり眠れるということは少なく、痒くて知らない間に起きたり、無意識のうちに体を掻いていてしっかりとした睡眠が取れないことから体がだるい、日中眠気が来るなどということが当たり前になっている方も見えます。また、痒くなると気がすむまで掻きたおしてしまい、後悔するということを繰り返して見える方もいます。

どんな薬を使ってもどこの病院に行っても大抵同じ薬だからしょうがないと諦めて見える方もいます。もちろんアトピー性皮膚炎という疾患は蚊に刺されて良くなるというような簡単な治療ではなく、基本的に一生付き合っていく病気です。ただ、最近抗体療法含めて新しい製剤が出現してきたことにより、当院でもデュピクセント®︎の導入により今まで全く感じたことのないぐっすり眠れる感覚、かゆみがないことの実感、半袖を着ても気にならないという患者様からの声をいただくと、こんな治療法もあるんだという治療法の選択肢としてみなさんに知っていただくことができ、症状の改善に当院もお手伝いができればと思っています。

今日はアトピー性皮膚炎の治療法をほんの一部紹介しました。気になる方はお気軽にご相談ください。

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