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アトピーの治療

アトピーの治療かゆみの激しい湿疹が慢性的に続く皮膚炎です。年齢によって皮膚が乾燥したり、赤くなるなど症状が変化することもあります。

乳幼児に多い疾患ですが、近年では成人になっても症状が現れる方もいます。

アトピーになりやすい体質の人が、アレルギー物質に触れたり、乾燥や汗により皮膚に刺激を受けることでアトピー性皮膚炎を発症するといわれています。アレルギー物質は、卵や牛乳などの食物、ハウスダストやダニ、カビ、動物の毛など人によって様々です。

治療では、ステロイドなどの塗り薬を使用します。症状に合わせて保湿薬などの複数の塗り薬を使用したり、飲み薬を併用することもあります。

また、アレルギーの原因となるアレルゲンを特定するため、血液検査や皮膚検査を行うこともあります。

◆治療について

◎抗アレルギー剤内服療法

◎外用療法(ステロイド、プロトピック、コレクチム、モイゼルトなど)

デュピクセント(生物学的製剤治療):適応15歳以上

ミチーガ(ネモリズマブ):適応13歳以上

◎リンヴォック(ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤)適応:12歳以上

◎サイバインコ錠(ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤):12歳以上

◎ナローバンドUVB療法

◎そのほか

 

★当院ではアトピー性皮膚炎の患者様にnb-UVBの光線療法を受けていただくことができます。保険適応です。週2、3回の照射を数回受けていただくとだんだん効果が出てきてかゆみも減少していきます。即効性はないですが、かゆみが減り皮疹が減ってくると外用する薬の量も減らすことができます。ご希望の方はお申し出ください。

★当院では’デュピクセント’の取り扱いを始めました。

デュピクセント(デュピクセントの詳しい内容はこちらへ!!(ココをクリック!)

デュピクセント®は、「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン)の働きを直接抑えることで、皮膚の2型炎症反応(Th2細胞による炎症)を抑制する新しいタイプのお薬です。
アトピー性皮膚炎の皮膚の内部に起きている炎症反応を抑えることによって、かゆみなどの症状や、皮疹などの皮膚症状を改善します。これは生物学的製剤でアトピー性皮膚炎の患者様には新たな一手の治療法となります。

治療の対象となるかた

1、アトピー性皮膚炎の程度が中等度以上の方。

2、通常の外用治療(ストロングクラス以上のステロイドやタクロリムス外用剤など)を6ヶ月以上行っても効果が期待できない方。

3、本剤投与時にアトピー性皮膚炎の病変部の状態に応じた抗炎症外用薬や保湿外用薬の外用剤を継続しようできる方。(本剤使用中は外用剤の併用が原則となります。)

デュピクセント®の働き、期待される効果

デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の病態形成に深く関係するType 2炎症を抑制するヒト型抗ヒトIL-4/13受容体抗体製剤です。

今までの治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、高い改善効果と安全性を示しており、これまでにない優れたアトピー性皮膚炎治療薬であると考えられます。生物学的製剤の特徴として、薬剤費が高く高額な患者負担となりますが、様々な助成制度が用意されています。自己注射をしていくことで皮膚症状、かゆみが軽減されに日常生活がかなり改善されます。詳しいことは診察時お尋ねください。(15歳未満への適応は現時点でありません。)

デュピクセントの実際の投与について

デュピクセントは注射薬です。
1本の注射に300mgが含まれます。
これを月に2回、➡︎2週間に1回注射します。
初回のみ1回2本600mgを注射します。それ以降は、1回1本300mgの注射をうっていくことになります。下記は投与イメージです。

デュピクセント®は投与開始日のみ、2本を皮下注射します。
その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。

スケジュールと投与部位


デュピクセント®は投与開始日のみ、2本を皮下注射します。
その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。

このため、2週間に1度の受診が必要です。しかし、
2019年6月から自己注射が可能になりました。
当面は(自己注射ができるようになるまでは)2週間に1回の注射が必要です。そのため、最低月に2回の通院が可能な方でなければ治療はできません。
→自己注射を選択されれば、3ヶ月に1度の処方で治療が可能です。しかし、最低2回の自己注射の指導を受けて頂く必要があり、当院では外用薬処方、注射の指導、皮疹の状態を把握するため最初は1月に1回の受診をしていただきます。

⭐️なお、デュピクセントに関しては、高額医療制度の適応となる可能性があります。会社で独自の医療費助成を行なっている会社もあり、必要に応じて問い合わせをしていただくことをお勧めします。保険の範囲、年収などにより月々の費用も異なってきます。少しでも痒みから解放されたい、今までの既存の治療でなかなか効果が感じられない、一度試してみたい、など興味がある方はぜひ診察時にご相談ください。

アトピー性皮膚炎の新たなステージに治療が入ってきましたね。

コレクチム軟膏

ヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)阻害薬であ るデルゴシチニブ(Delgocitinib)の軟膏がアトピー性 皮膚炎の治療薬として 2020 年 1 月に世界に先駆けて本 邦で承認されました。細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすヤヌスキナーゼ(JAK)の働きを阻害し、免疫反応の過剰な活性化を抑制することで、抗炎症作用及び抗そう痒作用によるアトピー性皮膚炎の皮疹に対する改善作用を示しており、52週間反復塗布した長期の安全性も確認されています。

アトピー性皮膚炎の治療外用薬は今までステロイド、プロトピックの2本柱でしたが世界初新たな選択肢の外用薬が使用できることになりました。2歳以上のアトピー性皮膚炎の患者様に適応があります。

コレクチム軟膏は使用時の刺激感(プロトピック軟膏のような使用開始時のほてり感やひりつき、熱感など)も起こりにくく、副作用が少ないとされており、また長期間外用することによるで安全性も確認されていることからアトピー性皮膚炎の治療の新たな選択肢として期待されています。第3の外用薬とよく言われます。

使用方法:通常,成人には,1 日 2 回,適量を患部に塗布する. なお,1 回あたりの塗布量は 5 g までとする

詳しいことは診察時にお尋ねください。

モイゼルト軟膏

 

モイゼルト軟膏(一般名:ジファミラスト)は、外用剤に適した物性を持つ化合物として大塚製薬株式会社により開発されました。日本初となるホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤の外用薬です。ステロイド外用薬、プロトピック軟膏、コレクチム軟膏と異なる新しい作用機序を持った安全性の高いお薬です。これまでの薬とは異なる作用機序を持ち、安全性に優れ、使用上の制約が少なく、長期間使用できる抗炎症外用剤です。(第4の外用薬と言われます)

日本初の外用ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬です!!ステロイド外用剤やプロトピック軟膏とは異なる作用機序でアトピー性皮膚炎の症状を和らげる新しいお薬です。

サイトカインやケモカインの産出を制御することで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、皮疹の改善に導きます。

適応:2歳以上~14歳以下の小児のアトピー性皮膚炎、

   15歳以上~70歳以下の成人のアトピー性皮膚炎

軽症のアトピー性皮膚炎から使用可能です。医師が皮疹の状態を確認し、投与を決定いたします。

特徴:ひりつきやしみることがない、無臭、刺激がないなど

副作用:重篤な副作用は特になく安全性の高い薬剤です。併用禁忌、併用注意は設定なし。
    色素沈着障害、毛包炎、そう痒症など出現することがある

 

プロトピック軟膏

プロトピック軟膏(有効成分:タクロリムス)は体の過剰な免疫反応をおさえることでアトピー性皮膚炎のかゆみや炎症をおさえます。(第2の外用薬と言われます)

プロトピック軟膏はステロイド外用薬ではありませんが、抗炎症効果が高い外用薬です。プロトピック軟膏ではステロイド外用薬の長期間の使用でみられるような皮膚萎縮や毛細血管拡張といった副作用はほとんど見られません。また有効成分の分子量が大きいので、皮膚の状態の悪い皮膚バリアの破壊された部分など(湿疹病変など)からは吸収されますが、正常な皮膚(皮膚バリア機能が正常に働く部分)からはほとんど吸収されないと考えられています。
ここがプロトピックの大きな特徴です。効くべきところには効いて、よくなった皮膚やもともと正常な皮膚にはほとんど吸収されないのでステロイド外用剤のような長期外用による副作用を気にしなくても良いため、アトピー性皮膚炎の治療、またステロイドからの切り替えや維持療法として長期使用が可能な薬剤と考えられています。

注意点:使用時にほてり感、ヒリヒリ感、そう痒感などの刺激感を感じる場合があります

ステロイド軟膏

【当院の治療について】

◆アトピー性皮膚炎とはどういう病気なのか?どういう風に治療を行い、どういう経過をたどるのか?どういう風に毎日の生活をより過ごしやすくするために気をつけるのか?など、疾患自体の根本の説明、薬の使い方、病気との付き合い方など、皮膚科専門医の視点からご説明させていただきます。気になる点はいつでもご相談ください。病気と上手に付き合っていくことが重要なことなので、一回治療して薬を塗って良くならないからと治療をドロップアウトせず、上手に病気と付き合っていくために色々なご提案をさせていただければと思っています。

 

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