トレチノイン(CDトレチノイン)
トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの100倍を有しています。トレチノイン(レチノイン酸)は米国ではしわ・ニキビの治療医薬品としてFDAに認可されており、非常に多くの患者さまに皮膚の若返り、シワ改善の外用薬、ニキビの治療薬として使用されています。トレチノインは、誰でも血液中にごく微量流れていて、アレルギー反応を起こすことはほとんどありません。
この肌再生効果、リジュビネーション効果のあるトレチノインと、ハイドロキノン、美白効果のある活性型ビタミンCローションを組み合わせてしみ、しわ、ニキビ、リジュビネーションなどの治療を行なっています。
◆トレチノインの効果
- 皮膚の角質をはがす。
- 表皮のターンオーバーを促す(細胞を分裂・増殖させ、皮膚の再生を促し新しい皮膚に置き換える。基底層付近にあるメラニンなどのシミを一緒に外に押し出して行きます。)
- 皮脂の分泌を抑え、角質を剥がすことで毛穴の詰まりを改善し、ニキビに対する治療効果
- コラーゲンの分泌を高め、皮膚のハリ・シワの改善効果
- 表皮内角質や細胞間にヒアルロン酸や粘液性物質の分泌を高め、沈着を促すことで、皮膚をみずみずしくする。
◆CDトレチノイン
CDトレチノインとは、大阪大学美容医療学寄附講座と薬品会社との共同研究から開発されたトレチノインで、シクロデキストリン化したトレチノインのことを指します。この「シクロデキストリン包接トレチノイン」=略してCDトレチノインは、従来のトレチノインよりも低刺激で、副作用の軽減が図れることがから効率的に持続的にトレチノイン治療が可能であると考えられます。つまりトレチノイン特有の赤みや皮むけの反応が従来のトレチノインより抑えられる特徴があります。もちろんトレチノインと同等の効果を維持することが確かめられています。
従来のニキビ治療で保険適応のアダパレンや、海外製や従来のレチノイドは赤みや痛み、皮むけが高率に出ましたが、CDトレチノインはそういう炎症症状がかなり抑制されています。
また、最近インターネットなので高価格化粧品の中にシワに効果があるとしてレチノール配合という製品が出ています。しかしレチノールはトレチノインの約100分の1程度の作用 しかないため、治療効果があってもごくわずかです。同じビタミンAの誘導体の中でもレチノールとトレチノインは効果が全く異なります。ご注意ください。なお、トレチノイン、CDトレチノインは高いリジュビネーション効果、シワ、ハリ、ニキビなどに対する効果がある反面、レチノール反応と呼ばれる反応が出るため、トレチノインは医師の処方がないと投薬することができません。当院でもCDトレチノインは毎回診察が必要になります。個人個人皮膚の反応が異なるため、各々にあった濃度や使用量、使用間隔などを適切にお伝えさせていただきます。
当院ではこのCDトレチノインを自家調剤し作成しています。
もちろん、市販の化粧品のなかにはなく、他社のドクターズコスメにも含有されておりません。
まさにオンリーワンなドクターズコスメです。
◆トレチノインの使用注意点・副作用
- トレチノインを使用すると肌荒れ・赤み・かさつき、皮むけ等の症状を伴う事がありますが、保湿をしていくことで緩和されるので、化粧水で水分を十分に補給し、クリームでしっかりと保湿してください。(化粧水は当院の高濃度ビタミンCローションを使用します。保湿が必要な場合のクリームはゼオスキンのRCクリームを用います。)トレチノインのターンオーバー促進効果のピーク時には、保存料をたくさん含む市販化粧品や刺激性のある化粧品などは、しみやすく今まで使用していた化粧品が使用できなくなることがあるため、「しみる、赤くなる」などの症状が強い方は、トレチノイン使用頻度を減らす、濃度を下げるなど行います。
- 使用中は必ず日焼け止めをご使用ください。
- 赤みや皮膚がめくれてくることはトレチノインの作用ですが、まれに 発赤、かゆみ、皮膚炎などを生じることがあります。(通常のトレチノインよる反応は少ないです)