再発性単純ヘルペスの治療について
単純ヘルペスウイルス(HSV)の両方の型,HSV-1およびHSV-2が,口腔感染症または性器感染症を引き起こします。ほとんどの場合,HSV-1は歯肉口内炎,口唇ヘルペス,およびヘルペス角膜炎を引き起こし、HSV-2は通常,性器病変を引き起こします。
HSVの伝播は,活発にウイルスを排出している個人との濃厚な接触に起因する。ウイルスの排出は病変部から起こるが,病変部が明らかでない場合にも起こりうる。
初回感染後,HSVは神経節に潜伏し,そこから周期的に出現して症状を引き起こします。ヘルペスによる発疹の再発は以下が誘因となル事があります:
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過度の日光曝露
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発熱性疾患
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身体的または精神的ストレス
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免疫抑制
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未知の刺激
一般に,再発時の発疹はより軽度で,時間の経過とともに発現頻度が低下すると言われています。
ただ、再発が年に何回も起こり、日常生活でお困りの方も多く見られます。そのような方は現在2種類の保険適応の治療法があります。
1、再発抑制療法
性器ヘルペスの抑制療法は半年から1年の間のバルトレックス®︎という抗ウイルス薬を1日1錠内服します。
バルトレックスを服用している期間はヘルペスウイルスは増殖することができません。
内服中に長期間ヘルペスの再発をなくし、その間に免疫力を回復させます。
ヘルペスを長期間再発させないようにすると、ヘルペスはからだの免疫に増殖を抑制され、簡単に再発しないようになります。
1年間に6回以上の性器ヘルペスが繰り返し再発する人に限り、保険適応で治療ができます。
2、再発性ヘルペスに対するPITという
新しい治療方法(保険適用)・・・ファムビル®︎の場合
PIT(Patient Initiated Therapy)とは、あらかじめ処方された薬剤を初期症状に基づき患者判断で服用開始する治療方法です。海外では1day treatmentと呼ばれています。
PITには、現在「ファムビル」という薬があります。初期症状が出てすぐに服用を開始するために、再発にそなえてあらかじめ医療機関でお薬を処方してもらうことができます。
対象となる方(以下の全てに当てはまる方)
●再発性の単純疱疹の方
●同じ病型の再発頻度が年間3回以上の方
●再発の初期症状を判断できる方
※ヘルペスを繰り返す方の約8割は、ヘルペスが出てきそうだなという予兆(前期症状)を感じて判断できると言われています。しかし、これに関しては、医師が患者さまとお話し、用法、服用方法、薬の管理ができると判断できる方に処方させていただきますので全ての方に処方可能でない場合があります。医師にご相談ください。
1)初期症状(患部の違和感、灼熱感、かゆみなど)が出現して6時間以内にファムビル4錠を一度に内服する。
2)1回目の内服から12時間後に2回目(ファムビル4錠)を内服します。
◉治療の具体的用法(PITの場合)
① ヘルペスの治療初回
皮膚に水疱や皮疹などができた段階で当院を受診された場合、従来どおりファムビル錠(ジェネリックでも可)を1回1錠を1日3回×5日内服処方します。
② 次回のヘルペスの治療
再発性のヘルペスがよくでる方で、前触れ症状を自身で判断できる方(処方できる方の欄参照)では、次回の分を処方できます。ムズムズ感やヒリヒリ感が生じたら、ただちにファムビル錠を1回4錠を内服し、その後12時間後にもう1回内服して終了です。ファムビル錠は早く飲めばそれだけ有効ですので外出先に持ち歩くとよいでしょう。
3、再発性ヘルペスに対するPITという
新しい治療方法(保険適用)・・・アメナリーフ®︎の場合
単純ヘルペスの原因となるウイルスの増殖を抑える薬です。(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)
初期症状が出現してから6時間以内に6Tを服用するという使い方です。
今までのPIT療法で使用されているファムビル®︎とは異なり服用回数が1回で良いことが大きく異なります。
詳しくはご相談ください。
希望のある方は医師に相談ください。